MMT(現代貨幣理論)の優しい解説動画をまとめました

先月あたりから、最近流行りのMMT(Modern Monetary Theory:現代貨幣理論)について調べていました。
これはとても面白いです。そして、MMTは広く流布すべき知識であるとも思いました。
というわけで本記事にてMMTの解説動画をいくつか紹介いたします。

①MMTとは(経済学)
②MMTは政治にどう影響を及ぼすのか(経済学+政治)
③MMTの実践(我々への影響)
④カシワギはMMTのどこを面白く感じたのか(あとがき)

本記事の構成は下に行くにつれてマクロな話から我々の生活への影響というミクロな話にシフトするようになっています(④はただの雑記ですが)。

紹介する動画の選択基準は「経済学についてほとんど無知なカシワギでも理解できた動画」というものです。動画の尺はそれぞれ40~50分と長いので、ゆとりのあるときにご覧ください。

④は「経済学に興味はないのに、MMTだけ例外的に面白く感じられたのはなぜか」について書いています。経済学への関心度がカシワギと同じくらいの方なら、まずは④から読んでいただくのもMMTの導入としていいかもしれません。


①MMTとは(経済学)

1つ目は経済評論家の三橋貴明氏による解説。三橋氏の説明は論旨が明快でとてもわかりやすいので導入として最適です。

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2つ目は京都大学教授の藤井聡氏による解説。三橋氏の解説と被る部分は多少ありますが、両氏の解説を比較するならば、三橋氏はMMTそれ自体についての解説が主で、藤井氏は経済学におけるMMTの歴史的ポジション、MMTと政治(税金や賃金など)について解説しています。

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3つ目は評論家の中野 剛志氏による解説。MMT批判への反論を主としているので「MMTの理論はわかった。でも、どこかに穴があるんじゃないの」と訝しむ段階でご覧になるとよいかと思います。

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こちらは動画ではなく、平川克美先生が東洋経済オンラインに寄稿されたMMTの解説記事です。
三橋氏がご自身のTwitteで絶賛していた記事ですが、わたしは解説動画をいろいろ観てからようやく理解できたので4つ目に紹介しました。

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 ②MMTは政治にどう影響を及ぼすのか(経済学+政治)

 4つ目は三橋氏とれいわ新選組党首の山本太郎氏の対談です。動画内での役割をたとえると、三橋氏が先生で山本氏が生徒となっています。
三橋氏が国会議員でも勘違いしている(つまり我々国民も勘違いしている)経済のことについて解説しているので「MMTはわたしの生活にどう影響するの?」「わたしたちは経済のことで騙されてることがあるのではないか」という疑問を解消したい方は、まずこちらの動画からご覧になられてもよいと思います。

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③MMTの実践(我々への影響)

政策を演説するときに必ず浮上してくる財源問題。山本氏の政策における「財源」はMMTをベースにしているので、山本氏の演説をご覧になればMMTによって我々の生活にどのような変化が生じるのか(主には消費税と賃金)についてご理解いただけるかと思います。
14:34~からMMTをベースにした政策(実践)について語っています。

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こちらはおまけとして、山本氏ご自身によるMMTの解説。

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④カシワギはMMTのどこを面白く感じたのか(あとがき)

本記事で紹介した動画をすべてご覧になった方はお疲れ様です。
まだご覧になってない方は、以下に書きとどめることがMMTに興味を持つきっかけになれば幸いです。

カシワギがMMTを面白がることができたのは「話が本質的すぎて数字が出てこないから」です。
わたしは足し算もできない「数字弱者」なので、新書とかで「つまりこれは数式でいうところのxとyが云々……」という説明が入ると著者と意図と反して逆にわからなくなってしまいます。だから数字だらけという印象がある経済学を避けてきました。
でもMMTは(というより今回紹介した賢者達の解説では)数字がほとんど出てこないから、わたしでもとっかかりやすかったのです。
また、「貨幣とはなにか?」という単純にして淵源な問いに真正面から立ち向かうラディカルな姿勢がもたらした価値観をひっくり返すような答えは、革命の瞬間に立ち会っているようで感動的です。
事実、「MMTは現在の経済論を覆す」ものであるそうです。
だから三橋氏も動画内でおっしゃっていたと思いますが、MMTは素人の方がすんなり受け入れられます。言い換えると、既存の経済学を学んできた人たち(それで糧を得てきた人たち)には受け入れにくい。そりゃあこれまでの考えが誤っていたと認めなくてはならないのはしんどいと思います。
「オレ、経済とかそういうややこしいことよくわからねえンだよね」という方こそ、MMTに触れるのにいちばん良いタイミングということですね。

MMTをわたしに教えてくれた平川克美先生は、そもそも貨幣とは何かという本質的な「貨幣論」がまだ存在していなかった、とおっしゃっていました。
繰り返すようですが、たとえると、これまでの経済論が天動説でMMTは地動説ということです。
そんなすごいことが目の前で起きているのか、と驚嘆を隠せません。
畢竟するところ、これまでの経済論は「貨幣論」を抜きにして論考が進められてきたので「ボタンのかけちがえ」が起きていた、ということになります。
もちろんこれだけスケールの大きい話なので反論も多く、素人のわたしはMMTの正否について判断を下すことはとてもできませんが、こういう状況のときには革命側に寄りそうのがわたしのスタンスなのでMMT論者の方々を信用して応援していく所存です。